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高認国語の過去問

3, 古文

【出典】 『一休ばなし』より。
 「一休ばなし」は『仮名草子』(一六六八年刊)。一休和尚の逸話集。

【口語訳】
   一休和尚のもとへあるとき旦那がやってきて申したことには、「私がこのお寺に出入りしているということで、人々が申しますには、『禅の道の規則の一つでも会得したのか』などと言って私の愚かなことを馬鹿にして、本当に困っておりますので、どうか一つの規則なりともお慈悲を以てお示しください。」と申したところ、一休和尚は、「たやすいことだ。さあ、わたしのもとに教えを受けに参じなさい。」ということなので、「参上するとはどういうことなのでございましょうか。」と申し上げると、「いや、どんなことでも仏の道で納得のいかないことをお尋ねなさい。」というと、「わかりました。」と言って、仏殿の方に向けて走り出した。
   一休はおかしくお思いになって、見ないふりをしていらっしゃったところ、すぐに走って帰ってきた。一休が、「どこに行っていたのか。」とおっしゃると、「『仏の道で疑問があるならば申せ』と仰せられたので、仏の道は仏殿に行く道であると思って、一走り見て参りましたが、どうしても納得のいかないことがございます。あの山門の近くの松に巣をかけていますが、何の巣なのか全くわかりません。たぶん鷺の巣だと見えますが、はっきりとは判断ができません。」と申したところ、「いやいや今の時分は烏こそが巣をかけるのだ。」とおっしゃったところ、「いや、事のついでにお慈悲を以てお示しください。」と申し上げると、「そういうことなら、」ということで、「はしごを持ってきて、お上りなさい。」と仰せられたところ、その者は急いで上り、その巣を下ろしたところ、中に鳥の子もなく、何もいなかった。一休が、「何の巣か。」とおっしゃったところ、「何も中にはおりません。」と申し上げたので、鷺の巣をおろしてみると、から巣(烏)であって「この句に下の句をつけてみなさい。これが一則であるよ。」と仰せになったので、その者は、「いやいや、何ともつけ申すべき心はありません。」と申し上げたところ、一休がおっしゃるには、「そこが大事なのだ。私も思えに授けて知らせるべき心はない。」とお示しになると、その者は驚いて、「それでは、一休様においても仰せられにくいのでございますか。」と申し上げると、「仏は自分の心にあるものであり、自分で悟るものであるから人に教えられるものではない。」とお答えになったので、横に手をはたと叩いて、結局自ら悟りを拓いたと言うことだ。

問1
解答:解説
この「旦那」を周囲の人物がどう見ていたかは、自分で「人々申しけるは」と言って、「愚痴なるをあなどり」と言っているところから考えれば、正解が④であるとわかるはずだ。①の「信頼のおける人物と見られていた」が間違い。②の「果報者と見られていた」が間違い。③は、「不審な人物と見られていた」が間違い。⑤は、「禅の道にとても熱心な信者と見られていた」が間違い。




問2
解答:解説
旦那が一休にお願いしているのは、「話則」の「一則御慈悲に示したまへ。」ということなのだから、それを聞いて、一休がいう「仏の道」というのは、「話則」の事だと考えてよい。そうすると正解は、②である。①は、本文で全く触れられていないので間違い。③は、ここでは「来世」の事は全く話題になっていないので間違い。④は、この旦那が「仏の道」を「仏殿に向かう道」だと勘違いしたことをいっているので、一休はそういうことは言っていないので、間違い。⑤の「慈悲」は、本文では旦那が一休に教えを乞うために使った言葉であって、「慈悲深い人になるための秘訣」というのはここで書かれてはいないので間違い。




問3
解答:解説
「さらに」は下の「ず」と呼応して「全く」「全然」という強い打ち消しになる。「がてん」は、「がってん」で、「納得」「篤信」、つまり「わかること」を表す。また「まゐら」は謙譲を表すので、正解は「全くわかりません」という意味で、正解は①である。




問4
解答:解説
この文章全体が一休のとんちばなしでもあるということがわかれば、一休がいっている「烏」が同時に「空(から)巣」でもあるというしゃれになっていることに気づいてほしい。それがわかれば正解が④であることがわかるはずである。後の選択肢とはすべてそのことに触れていないので間違いである。




問5
解答:解説
①は、一休が旦那を救う様子を描いているというのが間違い。②は、「一休が新たに悟りをひらく」というのが間違い。③は、旦那が、「悟りひらいた大人物であることをほのめかすように描いている」が間違い。最後に悟りを拓いたとは書かれているが、そのことで大人物であることをほのめかしてはいないので間違い。⑤は、「旦那の素朴な疑問と一休の示唆に富んだ会話を多く用いて描いている」というのが、本文に即しているので間違い。




4, 漢文

【出典】『続文章軌範』
 『文章軌範』は』(ぶんしょうきはん)は、中国宋の謝枚徳が編纂した、唐宋の「古文」の名作文章の選集文献で、その数は六十九である。『続文章軌範』は、その続編で明代に編まれ、秦時代から当代の明代までの代表的な名作を載せている。
【書き下し文】
   善く国を為むる者は偃師のごとし。民は幻のごときなり。之が動かんことを欲し、之が静かならんことを欲する、機は我に在り。豈に当に随はざるべけんや。善く君たる者は、猶ほ造父のごとし。人は猶ほ馬のごときなり。之が東せんことを欲し、之が西せんことを欲する、策は我に在り。豈に能く違ふことあらんや。教に曰はく、独り其の親を親とせざれば、則はち、天下皆親たり。独り其の子を子とせざれば、天下皆子たり。富めるかなこの機や。我天下を以て親と為し子と為す。天下孰か我を以て親と為し子と為さざらんや。夫れ然り。故に災害生ぜず。禍乱作らず。此れ聖人の旨なり。則ち知る、安からんと欲する者は必ず先ず人を安んじ、利を欲する者は必ず先ず人を利するを。
【口語訳】
   能く国を治める者は人形つかいのようなもので、民はその人形のようなものである。民を動かそうと思い、静かにさせようと思えば、そのからくりはわが手にある。どうして民がよろこびしたがわないことがあろうか。善き君主たる者は、あの馬を扱うことに優れた周の造父のようなもので、民はその馬のようなものである。これを東に走らせようと思い、また西に走らせようと思えば、その鞭はわが手にある。どうして民が背き違うことがあろうか。経書(『礼記』)に、「ひとりりわが親だけを親としなければ、天下は皆わが親である。ひとりわが子だけを子としなければ、天下は皆わが子である」とあるが、機の用たるや豊かなものである。自分が天下を親と思い子と思えば、天下の者達の中で誰が私のことを親と思わず子と思わない者があろうか。そうであるから、災害も生じないし世の禍や乱れも起こらない。これが聖人の旨とするところである。そこで、自分が安全であろうと望むなら、ぜひとも先に人を安全にしなければならず、自分が利を欲するならば人の利を図らねばならないことがわかる。

問1
解答:解説
「偃師」はたとえとして用いられているので、「之」も「人形」ではなく「人民」のことだとわからなければならない。それで正解は③とわかるが、念のためにBも確認してみると、Aと同じであることがわかる。もし、AもBも「人形」という選択肢があれば迷うが、それがないので正解は③だとわかる。




問2
解答:解説
「豈ニ~乎」は、「どうして~だろうか。否、~ではない」という反語を表す句法であり、「当ニシ」は、「きっと~だろう(はずだ)」という意味を表す再読文字である。それをあわせて考えれば、「随って動くようになるはずだ」という意味になる。では、「随う」のはだれか。それは「人民」だとわかるはずなので、正解は、①である。




問3
解答:解説
これは少し難しい問いだと言える。その後の、「我天下を以て親と為し子と為す。天下孰か我を以て親と為し子と為さざらんや」という部分が、引用された「経書」の説明だとわかれば、「富めるかなこの機や」の前までが経書の内容だとわかるはずである。正解は②である。間違えやすいのは、「親為子乎」までだと思うが、それが選択肢にないので、他の選択肢とあわせて落ち着いて考えれば正解が導き出せるはずである。




問4
解答:解説
「孰か~ざらんや」は、「一体誰が~するだろうか、否、~しない」という反語表現である。だから、「私が人民を親と思い、子と思うことになれば、人民も自分のことを親と思い、子と思うはずだ」という意味になり、正解は⑤であることがわかる。




問5
解答:解説
①の「人民が心から忠誠を尽くすように指導すべきである」というのは本文の趣旨から外れるので間違い。②は、「まずは自分の幸福を優先すべきだ」というのは本文の趣旨と逆なので間違い。③は、「国を治める者」に「自分の思うままにふるまうこと」を勧めてはいないので、間違い。⑤は、「積極的に親孝行を奨励すべきであるむとは本文に書かれていないので間違い。このようにしてみてくると、④が正解であることがわかる。


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山田 花子

山田 花子 20歳

ある事情があり、高校を受験せず中卒のまま派遣に登録。今は工場で勤めている。
看護の専門学校に行き看護師になるのが夢。趣味はマン喫に行くこと。
好きな言葉:根性

山崎 太郎

山崎 太郎 22歳

中学から不登校気味だった。高校で再起をはかろうと工業高校に入学するもまた不登校になり2年で中退。同じ年の人が就職や結婚が増えてきて自分もそろそろ正社員になろうと思い仕事を探している。学力は中学数学は全く分からない(汗)趣味はプレステ
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川崎 健太

川崎 健太 16歳

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